2007-01-01から1年間の記事一覧

二十八/ 古戦場 その一

都内にある某大学はキャンパスがちょうど戦国時代の古戦場にあたるという。そのためか幽霊を見たという話があとを絶たない。特に多いのが「正門付近で武者の幽霊を見た」という話である。腕を失っていたり、首がなかったりする甲冑姿の武者が体に矢を突き立…

二十七/ 糸瓜

Sさんの家では瓢箪や糸瓜を作ってはいけないという戒めが代々伝わっている。Sさんのおばあさんが嫁いできた時に、Sさんのひいおばあさんからくれぐれもと言い含められたそうである。しかし理由については聞かされなかったので、謂れについて知っているも…

二十六/ 牛群

「二十二/ 山道」と同じIさんの、違う山での話。 Iさんが友人二人と山道をドライブ中、突如霧が濃くなってきたのでこのあたりで一度休憩しようということになった。止まっている間に霧が晴れてくれるかもしれない、という期待からだったのだが、三十分経っ…

二十五/ エレベーター その二

Kさんはその日遅くまで残業をし、帰ろうと思ったときには既に十二時を過ぎていた。オフィスに残っているのは既にKさんひとり。非常口の灯りのみに照らされた通路でいつものようにエレベーターを待った。上から降りてくる階数表示のランプを眺めていると、…

二十四/ エレベーター その一

Aさんは学生の頃、幽霊が出ると評判の廃墟へ忍び込んだことがある。 元総合病院であるその建物は交通が不便であることから使われなくなり、十年以上放置されていた。Aさんは友人と二人で夜中の一時ごろにこの廃墟を訪れた。闇の中、崩れて雑草に埋もれた門…

二十三/ うわっ

Oさんはその日、ひどく疲れていたので帰宅して自室に入るなりすぐさまベッドに倒れこんだ。枕に顔を押し付けた瞬間「うわっ」と小さく声がして枕の下で何かがもぞっと動いた。Oさんは飛び起きてベッドから離れると枕を観察してみたが、枕はいつもの見慣れ…

二十二/ 山道

よく晴れた日のこと。Iさんは車で山道を二時間ほど辿ったので、そろそろひと休みしようと思った。トンネルを抜けたところで路肩が広くなっていたので、いいタイミングと思いそこに停車した。外の空気を吸おうと思い、車を降りてドアを閉めたとき思わず「え…

完全犯罪

知ってる?体の大きさにかかわらず、動物の心臓が一生に脈打つ回数はみんな同じなんですって。ゾウも、ネズミも、もちろん人間も、一生の脈拍は同じ回数なの。小さい動物は脈が速いからそのぶん寿命が短くて、逆に大きい動物は脈が遅いから寿命が長いんだっ…

ここ五日ほどスパロボグルイだったのでそろそろ正気に戻った方がいいと思いました。

二十一/ 湖を望む

約三十年前の話。ある山間の森にリゾートホテルが建っていた。五階建てのこのホテルには、時々起こる現象があった。五階の宿泊客が、客室から目の前に広がる大きな湖を見るのである。――ホテルの入り口から反対側にあるから来た時は気付かなかったのか。そう…

二十/ 向かいの屋上

Mさんの通っていた高校の校舎は上から見るとHの形をしていて、片方の縦画に各クラスが、もう一方の縦画に理科室や音楽室といった特別教室があった。 ある日の午後のことである。午後の授業は昼食の後なのでどうしても眠気に襲われ、集中力が途切れがちにな…

「ヒップアタック」を連呼すると段々「ひっぱたく」に聞こえてきます。 するというとミセス……「ひっぱたく」という語は「ヒップアタック」という語の転訛して動詞化したものである、と……そうかね? さて、そうしますと「ひっぱたく」という動作は尻をもって…

十九/ 自転車の籠

Sさんの家の近くにはひとつ高校があって、Sさんの家の前の道も通学路になっている。ある日の夕方ふと見ると高校生が三人、自転車を並べて帰ってゆく。そのうちの一台の前の籠に、白髪の老婆がひとり立っている。老婆は籠に足を突っ込んで直立したまま、前…

十八/ お化け飛行機

Kさんの郷里には地域の人から「お化け飛行機」と呼ばれるものが現れるという。 Kさんの実家から山ひとつ越えたところに空港があるので、飛んでゆく飛行機が一日中見える。お化け飛行機はときおり、その中に紛れ込んでいるという。 Kさんが一番最近お化け…

十七/ 古いトンネル

Fさんが学生の時の話。 ある日、暇に任せて友達と夜中に旧○○トンネルに行ってみようということになった。旧○○トンネルというのは近辺では心霊スポットとしてよく知られていた。しかし当日になって、Fさんだけが急用で行けなくなってしまった。しばしの後、…

十六/ 窓の内

Mさんの職場のビルには、ひとつだけ段ボールが張り付けられた窓がある。といっても壊れているわけではない。ガラスはちゃんと嵌っているし、開閉も難はない。 Mさんの会社がこのビルに入ったのは三年ほど前のことだった。引越し作業が終わり、仕事を始める…

うたかた

浮かんでは消えてゆく泡は、一体どこへ消えてゆくのだろうか。 地の果てには海があり、海の果ては滝となって絶え間なく落ちている。水が落ちた先には泡が立つ。海が落ちた先であるから、その泡の量たるやすさまじいものだ。あまりに泡の量が多いので、泡のか…

http://q.hatena.ne.jp/1180863895BlogのデザインがGothicなんで私の中で萌えobjectOさんはゴスロリ少女なんですが、ゴスロリは四肢欠損すると途端に背徳的になる気がします。これが萌えでしょうか。

十五/ 網戸の外

Tさんの家は山中にあるので、夏になると周囲に虫が沢山発生する。日中にはヤブ蚊と蝉くらいしか気にしないが、日没後明かりをつけると種類を問わず様々な虫が寄ってくる。明かりが漏れる窓には小さい羽虫以外に、セミや甲虫の類が毎晩のようにぶつかってく…

十四/ 足音

その日Hさんは帰りが遅くなって、暗い道をひとりで歩いていた。前後に人通りは全くなかったという。しかし、気が付くと前方から足音がしていた。ハイヒールのものらしき、カツカツという音が聞こえる。 しかしどうもおかしい。 音の大きさからすると精々四…

十三/ 公園の鳥

その日、Hさんは偶々公園のベンチに座って昼食をとっていた。前日の俄か雨で公園には点々と小さい水溜りができていた。コンビニで買ったパンと缶コーヒーを流し込みながら、ぼんやり目の前にある水溜りを眺めていると、不意にそこに波紋が起こった。 風もな…

天国への道、或いはカブトムシカブトムシカブトムシ以下略

現代人は保存料のたっぷり入った食料を日常的に摂取しているせいで死後も中々腐らない。という話を何度か聞いたことがありますが、さてそうなると気になることが出てきます。現代人を好んで捕食する生物がいた場合、或いは更にその生物を好んで捕食する生物…

十二/ 赤い何か

小学校の教員をしているTさんは言う。「やっぱり、子供にはそういうものが見えることもあるみたいですね」 Tさんが受け持っていたクラスに、教室でひどくおびえる児童がいた。仮にA君とする。話を聞いてみると、黒板に向かって左側の辺りに"赤い人"がいる…

十一/ 湖の写真

Kさんは二年間アメリカに留学していたことがある。その時滞在していたのはアメリカ北東部にあるMという街だった。アメリカ北東部には湖や湿地が多い。Mにも隣接する大きい湖があった。古くは原住民の聖地であったらしく、湖岸には祭壇の跡といわれる石組…

所用にて先月末から一週間渡米してました。帰国後の時差ボケのせいですっかり更新する時間と意欲をなくしていたんですが何とか回復しました。とりあえず今後は週一くらいで怪談書きたい。多分無理だろうけど。

十/ 山の戒め

山国に住むYさんのおじいさんは役場の仕事でよく山に入っており、またキノコや山菜を採ることを趣味にしてもいたのでYさんが子供の頃にはよく山で体験した話を聞かせてくれた。この話はそうやって聞かされた話のひとつである。 おじいさんが役場に勤めはじ…

怪談書こうと思っていたんですが、ラオウって単語を数年分位の量は打ったので疲れました。後日にします。

拳王はそんなこと言わない

ラオウの葬儀に著名人が参列。ファンも殺到!(Yahoo!ニュース) 北斗神拳を本邦に伝えたのは弘法大師空海だったんですか。遣唐使は大変なものを伝えてくれました。 安らかにという言葉を掛けたいと思ったんです だがちょっと待ってほしい。果たしてあの拳王が…

「同期の!ゴライオン」

ワン プラス・ワン プラス・ワン プラス・ワン プラス・ワンゴライオン! 貴様と俺とは同期の桜同じ兵学校の庭に咲く "ギブアップせい" 咲いた花なら散るのは覚悟見事散りましょ国のため 勝利は僕らにゴー ゴー ゴライオンスパロボW買ったけど肝心のDS持って…

四月のみならず

年中嘘吐いてるはてなブロガーのみなさんは四月一日くらいは本当のことを言ってもいいと思いますよ。「しなもんって、中にアイボ入ってるよね」とか。ヘルアンドヘブン効きますよ。