2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧
Hさんが高校生だった時のこと。 ある日帰宅すると、母から「今日、お兄ちゃん帰ってくるんだって」と聞かされた。 六つ年上の兄は就職して家を出ていたが、そうやって時々帰ってくる。 月に一、二回は顔を合わせているのでHさんも特別嬉しい訳ではなかったが…
小説のネタになりそうなアイデアを思いついた時や、面白い夢を見た時などは手近にある紙に一応メモしておく。後でそういうものを見返してみると、断片的過ぎてよくわからないものが混じっていたりする。多分書いた時には面白いと思っていたのだが、時間が経…
Hさんは中学生の頃、整理整頓が苦手だった。 学校の授業などで貰ったプリントなどはまとめてグシャッと鞄に押しこむのが常で、家に帰ってからも整理などしないまま机の抽斗かその辺にある箱に突っ込んでおくくらいだった。 ある日の夕方も自分の部屋に戻ると…
小学生から「『ファティマ第三の予言』ってなに?」という質問をされて耳を疑った。どこでそんなこと聞いたんですかと尋ねると「『SPEC』に出てきた」という。私は観てないのでどういう形で出てきたのか知りませんが、多分全国で『SPEC』を視聴していた何千…
埼玉の中学校で、土曜日に男子バレー部の試合が行われていた。 市内の別の中学校のチームを招いての練習試合だったが、実力が伯仲しているためになかなか白熱した展開となっていた。 お互いに1セットずつ取った上での3セット目開始時のことだったという。 …
Fさんという女性が小学生の時のことである。 真夏の昼下がり、自分の部屋で昼寝をしていると、何だか右の手のひらがムズムズして目が覚めた。 寝ている間に握りしめていたらしい右手を開いてみると、なぜか一本の釘がある。 五センチほどの真新しい釘で、青…