2006-01-01から1年間の記事一覧

第三回萌理賞

http://q.hatena.ne.jp/1156507229 それがしが萌理賞の佳作……もったいのうござりまする。 正直「今回も華麗に参加賞いただきだぜ!」って思ってました。 期日とお題の予告があったのでイラスト参加や新参加者が増えるかなと思っていたんですがそうでもありま…

三/ コンコン

Iさんがひとりで車に乗って千葉県の国道を走っていたときのことである。 コンコン。 後部ガラスを何かが叩くような音がした。何かが風で飛んできてぶつかったのだろうか。そう考えた。 コンコン。 数分後また音がした。さっきと同じような音である。今日は…

二/ 木蓮

私の家の庭には大きな木蓮があって、毎年春に白い花を沢山咲かせる。ある年の一月、祖父が亡くなった。その年の春には、木蓮の花はまったく咲かなかった。 それを見て父がぽつりと言った。「人死にのあった家では花が咲かないって言うからなぁ……」翌年からは…

吉村昭『羆嵐』

萌えとか何とか言っても、大自然の前には無力です。 この作品に出てくる羆は果てしなく危険。 ひょっとすると北海道の人にとってはそんなの当たり前なのかもしれませんが。 まずこの羆、人をホイホイ襲う。 熊のほうも人が恐ろしい、という話を聞いたことが…

人はむなしく、業績こそすべて

ふた月ほど前に書店で本当に何気なく吉村昭『羆嵐』を購入して、程なく読了して「ヒグマヤバイ。超ヤバイ」などと思っていたところ、先月末に吉村昭氏が亡くなったという。ああなんだこのタイミングはと思っていたところ、今度は宇山日出臣氏が没したという…

実は怪談大好きなんですが

http://guideline.livedoor.biz/archives/50636361.html http://www.youtube.com/watch?v=zMLLdA99K0g 携帯電話のカメラ撮影音が“撮ったのかよ”と“エーアイアイ”の両方に聞こえる、という話。 私はどう聞いても撮ったのかよとしか聞こえないのが何やら悔しい…

一/ ぐるぐる

Sさんという男性は3年間交際した恋人に遂に結婚を申し込んだ。 恋人自身は結婚に乗り気だったが、しかし承諾するには両親に伺いを立てねばいけないという。 そういうわけで2人で彼女の実家を泊りがけで訪れたときの話である。 娘の結婚の決定権を握るよう…

8月4日追記

第二回萌理賞応募作品に有志の方より10ポイント頂きました。ありがとうございます。 この作品を好きになってくれた人がいるのは慮外の幸せです。

第二回萌理賞が終わったので

切なくて儚いお話。言葉遣いも綺麗で格調高いんですが、最後の一行が大問題で、これは無い方が良かったのではないでしょうか。私的には今までの過程を一行で押し潰す感じの結末という印象です。そうした賛否はともかく、少なくとも、最後の一行があるかない…

第二回萌理賞

http://q.hatena.ne.jp/1154079537 とりあえず今日の仕事が終わって帰宅した段階で空きがあったら投稿しよう、と思い一日働いてきたらまだ定員の半分くらいだったので投稿。 遺跡を見て萌えストーリーを描ける奴はきっと何を見ても萌えることができるよね、…

第4番 ツンデレを見た人

ある雑誌記者から聞いた話である。 取材で東北地方に行った時、歩いていろいろなところを巡っているうちに、ひとつの小さな村に行きついた。 簡素な村なのだが、しばらく行くと、手に手に竹竿や鍬などを持った十数人の村人がひとかたまりになって上の方を指…

第3番 のびあがり

仕事でとある山村に出かけたときのことである。 日中、田舎道を歩いていると向こうからセーラー服姿の女子学生が歩いてきた。 いまどき街中では珍しくなった黒髪ストレートが似合う少女である。 目を引かれて距離が遠いうちから見とれていると、何だか距離感…

第2番 巫蠱

蠱毒、というものを知っているか。 器の中に蛇、百足、蜘蛛といった毒虫や小動物を入れ、互いに食い合わせる。 そして最後に残った一匹は強力な毒や魔力を持つようになる、という呪術だ。 これに倣い、器の中に姉、妹、幼馴染、ツンデレといった多種多様な萌…

萌えとかもう忘れた

ペルソナ3にかまけて気が付いたら己のブログにゲストさん扱いされる始末。不覚。 ペルソナ3については色々語りたいこともあるんですが、ここではちょっとペルソナについて。 このシリーズにおけるペルソナという概念はメガテンシリーズにおける悪魔と少し…

第1番 ふわっ

部活が長引いたので結局帰りの電車に乗ったのは22時過ぎだった。 普段は寄り道も殆どしないのでこんな時間に帰ることは滅多にない。 乗ったときにはそれでもロングシート席の半分くらいは埋まっていた。 ふた駅過ぎたところで隣に制服姿の女子高生が座った…

第2回に向けて

第1回萌理賞 に応募して参加賞1pt頂きました。ヒャホーィ! という事で感想。 自分へのと他の作品への講評を読んでいて気が付いたんですが、成程この賞にて必要とされたポイントは2つあったんだな、と。 つまり小説として「面白いか」ということと「萌える…

乱歩全集

光文社文庫の乱歩全集が気がついたら全巻出揃ってました。 どこまで買っていたか把握してなかったので、本棚を確認してみたらあと2冊で揃う状態でした。 順番に発行されないもんだから間違って『屋根裏の散歩者』は2冊買ってしまっていましたが。 何はとも…

さよなら、餡パンマン 第参話

悲願であったはずの黴菌マンとの決着は、3人のパンマンたちに深刻な苦悩の影を落とした。 悪事を行う者が消えた今、他者を守る力は無用の長物と成り果てたのである。彼らは悪と戦う為に流星より生まれ出でた者たちである。正義としてしか存在を認められぬ。…

蛇足

山狩りの成果は猪二頭、ということにしようかと思いましたがやめました。

さよなら、餡パンマン 第弐話

街に話が伝わってから更に明らかになったことには、今朝から食パンマンの行方も知れぬという。頼れる人物はこれで皆無といってよかった。 結局、2人のもたらした報は徒に街の住人達に恐慌を引き起こしたに過ぎなかった。 それも無理からぬ話で、既に悪意の…

蛇足

パン工場内で死体が発見された場合 その犯人として最初に疑うべきは外部の者ではない というネタを入れようかと思いましたがそれをやると日本刀を登場させずにはには収まらなくなるので断念しました。そういえばアンパンマンは流れ星が墜ちて生まれたんでし…

さよなら、餡パンマン  第壱話

パン工場で男性の首なし屍体が発見されたのは、いつものように早朝の作業に取り掛かろうとしたジャム小父さんとバタ子によってであった。 屍体は工場の床、竃のすぐ前に仰向けに横たわっていた。均整の取れた肢体に一糸もまとわぬ全裸である。蒼褪めたそれは…

『未来いそっぷ』星新一

何でこんなひねくれた内容の本が小学6年生の教室に置いてあったんでしょうか。 教室の片隅に置いてあったこの本を何気なく手に取った当時11歳の少年は、その日のうちに読了。 それはおよそ他の学級文庫に 聞いたことも見たこともない奇怪な内容であった ど…

ごあいさつ

思いつきで書き散らそうと思います。 思いつきって便利な言葉ですね。