第2番 巫蠱

蠱毒、というものを知っているか。
器の中に蛇、百足、蜘蛛といった毒虫や小動物を入れ、互いに食い合わせる。
そして最後に残った一匹は強力な毒や魔力を持つようになる、という呪術だ。
これに倣い、器の中に姉、妹、幼馴染、ツンデレといった多種多様な萌えキャラを入れ、互いに食い合わせる。
然すれば、最後に残った一体は、強力な萌えを持つようになる。


父は淡々とそう語った。
何を言っているのかわからない。
果たして正気なのかどうか。
「それが、何?」


父はしばし無言の後、言った。
――そうして生まれたのがお前だ。