絞められる

大学生のWさんが友人の家で飲み会をした夜のこと。
男四人で集まったうちの一人は早々に酔っ払って床に横になるなり寝息を立て、その傍でWさんを含む残りの三人が談笑しながら飲み続けていた。
すると深夜一時頃、寝ていた一人が急に身を起こして荒い息を吐きながら苦しそうに首を押さえている。
一体どうした、と聞くと変な夢を見たという。
夢の中で全身真っ白な女に首を絞められ、その感覚があまりに生々しくて飛び起きたということらしい。
なんだ夢か、と起きていた三人は笑ったが、そこで異変に気がついた。
三人とも、首のあたりが赤くなっている。酒のせいかと思ったが、それまで飲酒しても首だけ赤くなった覚えなどなかったし、赤い痣がちょうど両手の指で締め付けたような形をしているのもおかしい。
たった今までお互いの向き合いながら会話していたのに、誰もそんな痣には気が付かなかった。
どうもこの数分の間に浮かび上がったとしか思えないが、原因がわからない。
一方の、首を絞められる夢を見たという友人の首はなんともなかった。
首の痣は一週間ほど消えなかったという。