大学生のYさんがアパートの部屋に帰ってすぐ、疲れていたので床にごろんと横になった。
夕食なににしようなどと考えながらうとうとしていると玄関のドアが開く音がする。
鍵かけてなかったかと思いながらはっとして起き上がると、玄関には小学生くらいの女の子が立っていた。知らない顔だが近所の子だろうか。
こんにちは、どうしたのと声をかけると、女の子はYさんを見つめてぽつりと言った。
「昨日だったよ」
言ってすぐ女の子はドアから出ていく。
Yさんは咄嗟に後を追った。しかしドアが開かない。
施錠されている。嘘でしょ?
シリンダー錠を回してドアを開けたときには、もう周囲にあの女の子の姿はなかった。
女の子が外に出てから施錠するのは鍵を持っていなければ不可能だし、そんな時間はなかった。
Yさんが帰ってきてからずっと施錠されていたとするならば、女の子が出入りできたことがおかしい。
全く辻褄が合わないのでどういうことなんだろうと首を捻りながら部屋に戻ると、スマホが鳴っている。
実家からの電話で、父の姉である伯母が急に亡くなった報せだった。
脳卒中で倒れて、その日のうちに息を引き取った。それが昨日のことだったという。