懺悔の値打も莫けれど

部外者参加させていただいたファック文芸部杯、自作を白状させていただきます。
平素大した考えもなく好きなように文章を垂れ流している私めですが、折角のお祭なので自分ルールというかテーマを設定していました。

  1. 怪談の封印。普段あまり書かないことを書く。
  2. 書いたらすぐ投稿。虎や狼が日々推敲などするかね。李徴はするんじゃねえの。
岐阜県庁によろしく
1本目。
ネタとして面白い、かの成金紳士をふと思い出したので、それに「3枚のお札」「長靴を履いた猫」などの化け物をだまくらかして退治する話を組み合わせました。
そうやって話のアウトラインができたので題名を何にするか考えてみたところ、そういや最近お金を燃やした話があったなと思い題名だけ時事に。時事は今まで書かなかったので丁度いいやと。
最初に考えていた話がうまくまとまらなかったために気分転換として書いた作品だったので、思いのほか好評だったことに狼狽。後に影を落とすことに。
毎朝新聞朝刊文化面より抜粋
2本目。
気軽に書いた1本目の意外な人気に動揺しながら、前作に負けないものをと苦し紛れにひねり出した作品。
発想はともかくとして、力みと焦りが裏目に出てちょっと悲惨な出来。
題名もうまく思いつかなかったので至極いい加減に決めたら皆さんから「新聞の文体じゃない」と突っ込まれる破目に。新聞をあまり読まない人間が新聞をネタにすると碌な事になりません。
旅ナビ味覚探訪 第4回「海綿体」
3本目。
2本目の失敗で逆に力が抜けて、ここはひとつくだらないやつを書いてやろうとした作品。
我ながら、何だこれ。
冤罪だったobjectO氏、duke565氏には申し訳ないとしか。あと旨そうとか食べたいとか仰ったcomnnocom氏には機会があったら国産海綿体を一槍馳走致度存候。
地獄風景
4本目。
食事の用意をしているときに「上は大水、下は大火事、これ何だ」というなぞなぞを思い出し、成程料理は天変地異だと思ったのが発想の契機です。強火で炒める料理がドラマティックだと思ったので個人的に馴染みのある焼きそばに。
最初は天変地異といったら『黙示録』かなと思いましたが、強火に焼かれる態はどっちかというと『失楽園』の冒頭かな、と思い題名が決定。
失楽園』など古典の叙事詩を意識していたので表現が淡々としましたが、もう少し派手に描写するか書き方をもっと叙事詩寄りにすると良かったかも。
皆さん揃ってobjectO氏の作品を引き合いに出されていましたが、未読だったので早速拝読したところ本当に似ていて、違うアプローチでも似たような作品はできあがるものなのだと得心いたしました。


1作目はハック賞及び総合2位、ファック賞でも4位と部外者の癖に大健闘といったところですが、これは交通事故みたいなもので現時点での本来の実力としては後の3作くらいが関の山だと思っております。最初に考えていた話も結局形にならなかったのでこれもどこかで出してやりたいところです。精進。
以上、犯人たちの独白でした。