親愛なるファック文芸部先生にお便り申し上げます


 「最近は、blogでも小説を書いてますね。『ファック文芸部』っていうグループに入ってます」
 人気作家○○(適当な作家の名前を入れてください)は雑誌のインタビューでこう語った。しかし肝心のはてなidとblog名は明かされない。
 騒然とする当のファック文芸部。
――まさか。
――この中にあの作家が。
――果たして誰が。
 互いに顔を知らぬwebのこと、本人が名乗り出ぬ以上手がかりはblogの文章のみ。


 かくして魔女狩りが始まった。
 推理また推理。猜疑と邪推、疑心暗鬼。告発と反論。


 部員のスタンスも様々である。
 躍起になって見破ろうとする者あり、
 無関心を決め込む者あり、
 状況を心から愉しむ者あり、
 故意に作家の文体を模し撹乱を図る者あり。


 騒動は部外をも巻き込んで拡大し、やがて幕府を揺るがす一大事件へと発展してゆく。
 ついに老中松平信綱はことの収拾を将軍家剣術師範役柳生宗矩に命じた。
 次回、遂に姿を現した黒幕! 第五話「由比小説」、乞うご期待!