よく晴れた日の、真っ赤な夕焼けの時刻だったという。 高校生だったUさんが学校から帰宅すると、玄関は施錠されていて家族は誰もいなかった。階段を上がって自室に戻ろうとしたのだが、ドアノブに手を掛けた時に何やら違和感を感じたという。息を潜めて様子…
約二十年前まで、Tさんは郵便局で働いていた。郵便局と言っても街中にある本局ではなくて、田舎の特定郵便局である。職員は局長とTさんの二人だけ。局舎も小さく、狭かった。カウンターと向かい側の壁の間は二メートルも離れていなかった。 その狭い待合室…
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