2008-01-17から1日間の記事一覧

八十二/ 曇る窓

Kさんは中学生の頃、隣町の学習塾に通うのに路線バスを使っていた。このバスに、一つだけ不思議なことがあった。なぜか、ある所に差し掛かると片側の窓だけ、一斉に結露して曇るのだという。それも季節に関係なく、一年中その現象が見られたらしい。いつも…

八十一/ 二等船室

地名と時期を伏せるという条件で、掲載の許可を頂いた話。 Nさんという男性が旅行中、フェリーに乗った。寝台は二等船室に取った。船酔いが心配だった彼は、日が暮れて早々に寝ることにしたという。幸運にも他の客は疎らで、ゆったり横になることができた。…

カニとイクラ踊るよ

なんとなく北へ。寒かった。 とりあえず行くにあたり『地の果ての獄』『羆嵐』を再読した。私の北海道観は多分にその辺りに拠っています。