時代を四十二日目から始めよう


電子書籍が一般的になることにより紙の本が淘汰されるかもしれない。否、確実にそれは起きるのだという人もいます。
個人的には紙の本は風情があって好きなのですがそこはそれ、時代の成行きというものでしょう。
確かに紙の本は場所取りだし検索も大変だしデータに比べるとコストも高いし。
紙の本の駆逐が進むと、やがて紙の本を所蔵する施設も世界中で数が限られてくる筈です。
限られた拠点に収蔵するので当然それは巨大な施設になります。
個人的にはそれは深山の奥の洋館であったり、砂漠の果てに佇む白亜の宮殿だったりすると尚良し。
そこには古今東西のありとあらゆる書物が収められており、書物を愛する者のみが閲覧と管理を許されます。
しかし世の中には電子書籍こそが至高と唱える人々がおり、その中でも一部の過激な考えを持つ者は紙の本の存在を許しません。世界から紙の書物を根絶しようと目論見ます。「火を放て!」
かくして人里離れた巨大な図書館を舞台として書物を巡る激しい抗争が繰り広げられるのでありますが、それは未だ来たらざる物語。


……という物語を描いた書物がその巨大図書館の片隅に眠っていると尚更良し。