千葉駅で電車を待っていたときのことだという。
プラットフォームの椅子に腰掛けてスマホをいじりながら時間を潰していたところ、ふと視線を手元から外すと足元でキラリと光が反射した。
靴のすぐ傍に、親指くらいの大きさの長方形の金属片が五つ、落ちていた。綺麗に等間隔で一列に並んでいるあたり、落ちているというよりは誰かが意図的に並べたような感じもあった。
それまでそんなものがあったことに気付かなかったが、椅子に腰を下ろして以降誰かが近寄ってきたりしていないので、よく見ていなかったから気付かなかっただけで元々そこにあったのだろう。
誰かが並べたのだとしたら、どういう目的でこんなところに置いたのだろうか。何の金属片だろうか。
そんな疑問を思い浮かべながら視線を上げると、向かい側のプラットフォームにいる人と目が合った。頭に白髪の交じったおばあさんだった。じっとこちらを見ている。
気まずくなってすぐにこちらから視線を逸らすと、また別の人と目が合った。視線を動かすと、他にも三人ほど、向こうのプラットフォームに立っている人がこちらをじっと見つめていることに気が付いた。
どうしてこっちを見るんだ。何かあるのか。この金属片か。
気味が悪くなったので慌てて立ち上がり、その場を離れて他で時間を潰し、発車時間の直前に戻ってきて電車に乗った。
空いていたシートに腰を下ろして一息ついたところで見つけてしまった。
同じ車両の少し離れたところの床に、長方形の金属片が五枚、等間隔で一列に並べられているのを。
すぐにシートから立ち上がり、隣の車両に移ったという。