日常系

  • 名探偵コナン』が日常系ではないかという解釈。
    • 本来大事件であるはずの殺人事件がコナンの近辺では毎週のように起こっている。あの作品世界において、乱発される殺人事件はもはや特別な事態ではありえないのではないか?
    • 十年以上前にテレビ番組で有栖川有栖先生が確か「ミステリーは戦争での大量死のアンチテーゼとして発達したのであり、殺人事件を丁寧に検証することは人間性の尊重である」みたいなことを仰っておられた。でもその事件も量産されてしまえば一つ一つの事件の固有性は薄れ、埋没してしまうのではないか。
      • 金田一少年の事件簿』も概ね同じであるが、事件の発生数において『コナン』の方が圧倒的に上回っており、事件の日常化という点では『コナン』の方が上。
      • 真の日常系はどんなことがあろうが転がり続けるものなのかもしれない。例えば高木刑事が殉職したり蘭姉ちゃんが事件に巻き込まれて片足切断したりしてもそのまま物語が続いてゆくのであれば、『コナン』は真の日常系として永劫色褪せぬ輝きを放ち続ける。でも多分実際にはそんな展開にはならないんじゃないでしょうか。コナンの身内であるレギュラー登場人物はそこまで酷い目には会わない。そうやって聖域に置かれた彼らはもしかすると事件を解決するための一連の装置として位置づけられるものなのではなかろうか。