こたつ布団

真冬の日曜日のことだったという。
Oさんが起床して居間に入ると、こたつ布団の端から小さな子供が顔を出している。
前日から従兄が子供を連れて泊まりに来ていた。
朝から隠れんぼでもしているのだろうか、と思ったOさんは、小声でおはよう、と声をかけてそのまま隣室の台所へ向かった。
台所には母と従兄夫婦と、そしてその子供の姿があった。
従兄の子供は一人しかいないはずだ。
じゃあたった今こたつに潜っていたのは誰なんだ?
慌てて居間を振り返ると、こたつ布団の端は誰かが潜り込んでいたままの形で盛り上がってはいたものの、中には誰の姿もなかった。
しかし今しがたそこで見た子供の顔は、Oさんにはどこかで見たようなものに思えて仕方がなかったという。