• 実家の古い家が老朽化したので取り壊すことになった。私が高校生くらいまで暮らした家だ。取り壊しにあたって家の中にあるものを全て片付けなければならない、ということで今年の夏一杯はずっと片付けと掃除に追われていた。
    • そして95-97年くらいの少年サンデーが発掘される。百冊くらいはあった模様。『うしおととら』が連載中だった。ボロボロだったし、今後は保存する場所がないので全部捨てた。
    • 取り壊しは10月に入ってから始まり、台風で作業が止まったりしたものの10日間で終わった。つい先月まで建っていた家が今ではもうすっかり無くなって更地しか残っていない。短期間できれいさっぱり無くなったのでまだその眺めに慣れない。
    • 幼少から多感な時期を過ごした思い出深い家だったので多少の感傷はあるものの、せいぜい築三十数年の家でしかない。それより前は畑だったという。百年も遡れば半分くらいは川だった。近辺に人が住み始めたのは江戸初期からだという。ならば土地の歴史にしたって高々四百年である。その間に何回か建物ができたり崩されたりしただけのことであって、寂しがるほどのことでもない。変わらない何かはどこにも存在せず、ただ人の営みが繰り返されている。そしてそれもいつかは途切れる時が来るのだろう。古い家に住んでいた頃、そういった移り変わりを好ましいとは思えなかったが、今の自分はそれを面白いと思うようになっている。その変化もまた興味深い。