もやもや六十一日目


物語を書くときに題名だけ浮かぶ場合と、本文が先に完成して題名がどうしても思いつかない場合とがある。
題名が本文の内容と有機的に繋がって、本文を読み終わった後にもう一度題名を見直すとまた新しい発見があるような、そんな作品が望ましいのだけれど、そうそううまくはゆかない。
極稀に、題名を思いついた途端作品世界のイメージが鮮やかに広がってゆくような場合もあって、そういう時は非常にスムーズに筆が進むのだけれど、それはとても幸運な時に限る。