まるで五十九日目のかけらだわ


近所の小学生が暇さえあればボールを蹴って遊んでいる。
サッカーボールじゃなくてゴムっぽい緑色のボール。
彼がそれを始めるとボールの弾む音が不規則に鳴り響く。
と言っても別にそれを近くで見ているわけではないので本当に彼がずっと蹴っているのかは判らない。
ひょっとしたら見知らぬ中年男性が楽しげに蹴っているのかも知れない。
或いは誰もいないところでボールだけがずっと跳びはねているのかも知れない。
そもそも跳びはねているのが中年男性なのかもしれない。
中年男性が中年男性を蹴っているのかもしれない。
暴行だった。