時の記念日だそうです三十八日目


葉が伸びるに従い、だんだん隣の株と境界が曖昧になってきた。
植物の生長の荒々しさや暴力的なものを感じてしまう。
伸びてゆく植物というものは緩慢な津波のごときもので、大抵の物は飲み込んでしまう力を持っている。
例えばアンコール遺跡は人が住まなくなってから森に飲み込まれてしまった。
高度な文化を誇った壮麗な建築物の数々が、容易く木々に覆われ、崩壊していた。
現代文明が誇る大都市にしても、何かのはずみで人が住まなくなれば、百年やそこらで草木の繁茂する緑の世界に変わってしまうに違いないのである。気候にもよるけど。
植物が伸びてゆくのをみると、ついついそんなことを考える。


個人的に「樹海に沈んだ大都市」はロマン。
あー、東京あたりが深い森に沈まないかなー。
それで首塚とかに巨木が生えるの。