おかずコントロール

  • 古来より「おかずコントロール」という概念が存在する。
  • ごはんの量に応じて、おかずを食べる量と口に運ぶ頻度を調節するという考え方である。
    • 調節する尺度は固定した基準で考えられるものではなく、その時のごはんの軟らかさ、おかずの種類、気温、湿度、体調、精神状態、同席者、文化、その他ありとあらゆる条件が作用する。おかずコントロール論者にとって食事はその一回性ゆえ、毎度が真剣勝負とされ、かつて「食事の後は腹が減る」と言った人物もいたという。
  • ご飯の量に最適なおかずの量を最適な頻度で食べてゆくことで、ごはんとおかずそれぞれを最大限に味わうことが可能となる。
    • おかずコントロールがうまくいかない場合は、最後にごはんだけ味気なく噛みしめることになったり、逆におかずだけ残って物足りなさを感じたりする羽目になる。
  • この考え方は米飯に限ったものではなく、蕎麦やラーメンなどを麺、汁、具をそれぞれどのようなペースで攻略してゆくのかといった形で応用されている。
  • もっとも、おかずコントロールには異論も多数存在する。おかずコントロール論者内にすら「ごはんから先に箸を着ける派」と「おかずから食べ始める派」が存在し、相容れることがない。また他方には「ごはんだけ食べたい派」や「オレはおかずだけあればいい派」などが存在し、論争は尽きない。
    • 彼らとの議論の中から生み出された料理こそ丼物であることは説明の必要もないであろう。
      • しかしその丼物も「具を先に食べるのか、よけておいて後に食べるのか」といった新たな論争の火種になった。人類は永久に闘争から逃れられない宿命を背負った種なのかもしれない。
  • と、いう話を知人と数年前にしたことを食事中に思い出しました。
  • 知人とこの話をしたときには残念ながら観てなかったけど『夜にも奇妙な物語』に「夜汽車の男」というお話がありましてな……。