釈迦! もっとも仏に近い男

チベットが迫害されてるのは今に始まったことでもないのに俄に盛り上がっていますねこんにちは。それも今のうちで、オリンピック終わったら沈静化するんでしょうね。
まあ聖火リレーやら五輪関連式典やらにちょっかい出している人は、そうさせないために世論が盛り上がっている今のうちにやりたいだけやろうとしているのでしょうが、その手段の正直なことと言ったら敬意に値します。正直は美徳ですよね!
式典やら行列やらに真っ向からぶつかって行ったら当然屈強なガードマンに屈強なガードをされてその屈強さを存分に味わうことに決まっているので、痛い割にあまり効果がない。まあその悲惨な末路がカメラに映ればそれを見た誰かの胸には響くかも知れませんが、直接的な嫌がらせにはなりません。
ならばぶつからなければいいのではないでしょうか。いわゆる捨己従人です。『拳児』の受け売りですけど。
盛んに報じられているように、聖火リレーの周囲は、かの開催国より選び抜かれた精鋭たる守備隊が固めているので、迂闊に近寄れば四千年の歴史に裏打ちされた鉄壁の防御を存分に味わうことになりましょう。正しくテンサウザンドマイルス・ロングシタデルの如し。守りにかけてははるか昔から四方の異民族を防いできた彼らですから、侮れません。何しろ闘・食・性に関しては世界随一と呼ばれる民族です。
そこで、彼らの教えを紐解いてみましょう。捨己従人とは主に太極拳で重視される思想で、対手の力に逆らわないということです。
即ち、相手の流れに合わせて動く。聖火ランナーの前と後ろにさらに集団を作り、ランナー一団に合わせて移動します。チベットの文化と自治を訴えるのですから、どうせなら僧形でやりましょう。チベット密教ですから、口々に果てしなく真言を唱えます。沿道の観衆から見ると、僧→聖火→僧という順番で目に入ってくるので、パフォーマンス効果ばっちりです。ランナーと同じ速度で移動するので、ランナーから離れられない守備隊には手が出せません。そもそも坊さんが走ってるだけだし。長距離走るのが辛ければ原付などに乗るのもいいですね。
数が少ないと制圧しやすいので、僧の数は多ければ多いほどいいでしょう。


さらに五輪本番では、競技のたびに観衆に僧侶の数が多数混じります。客席に並ぶ、僧、僧、僧。マラソンのときに沿道に並ぶ、僧、僧、僧。横断幕や幟などはなく、そこにはチベットのチの字すら見えません。彼らはそこにいるだけです。僧侶がオリンピック見ちゃダメという話はありませんから、規制することもできません。カメラに必ず映ります。坊さんはそこに多数いるだけで立派なメッセージになりましょう。
観衆は、競技を見ているはずなのに同時に僧を目にすることになります。そのサブリミナル効果により、観衆の脳裏には強く僧が、チベットの僧の姿が焼きつくことになるのです。まぶたを閉じればそこに僧。夢の中にも僧。時々ラマ仏。剣鬼。


国境なき僧侶団はそういった活動を主に行う非営利団体です。