おわりに

以上、全百話をもってkwaidanは一区切りということになります。読んでくださった方、ありがとうございました。
一晩で全部読めば百物語を完遂したことになり、何か起きるかも知れません。モニターから毛が生えた! とか。実際に何か起きたらご一報ください。毛以外でも。


書き始めた当初から百話書くつもりがあったわけではありませんでした。
怪談を書き始めたのはほんの気まぐれで、身の回りで起きた、あるいは人から聞いた不思議な話をいくつか文章に起こそうか、というくらいの気持ちでした。もともと不思議な話が好きなほうではあったものの、怪談を書いたことはありませんでした。
しかしやってみると存外に書きやすく、何本か書き連ねるうち、欲が出てきました。あれ、百物語できるかも、と。頭に浮かんだのは杉浦日向子『百物語』でした。
それまで特にペースを決めずダラダラと気が向いたときに書いていたのですが、百話を目標にするとなると話が違ってきます。そこで考えました。
週二話くらいなら毎週無理なく書けるかもしれない。そのペースなら一年で百本。いける! と思いました。
実際始めてみるとこれがまた甘い考えで、毎週やってくる更新日の影に何度も悩まされることになりましたがそれもまたいい思い出です。新聞に四コマ漫画描いてる先生は超人だと思いましたね。毎日締め切りなんて創造を絶する世界ですよ。
まあ苦しいことは苦しかったんですけど、それ以上に楽しかったです。すげえいい笑顔で「みんな、怪談書こうよ! 楽しいよ! 」って言っちゃいそうな感じですよ。本当にそんな言い方したらかわいそうな人扱いされそうだけど。


なにはともあれ、この一年ほど怪談について考えた時期は今までありませんでした。大変勉強になったように思います。
今後は当分今までのような形は取らないと思いますが、やはり何らかの形で怪談を書きたいです。ほとんど実話怪談ばかり書いてきたので、創作怪談にも興味があります。
あとは怪談について考えたことも覚書としてまとめてみたい所です。


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