都会の白いカラス

全ての人間はどす汚れている!
山口貴由覚悟のススメ』第九十四話「星義」)

「カラスは黒い」と言う命題をくつがえすには
何千何万何億の中にたった一羽
白い翼のものがいればよい!
山口貴由覚悟のススメ』第百話「くじけない翼」)

都会といえば人間の心根は腐りきっていて、その負のメンタリティは路上にもあふれかえっている。
ネコプロトコル - 都会での打ち水大作戦に警鐘を鳴らしたい。

先だって都内の図書館を訪ねた折のこと。
図書館の周囲は公園になっていて、家族連れをはじめ多くの人が憩いの時を過ごしていました。
私が水飲み場に差し掛かったとき、五、六歳くらいの白人の少女がひとり水を飲もうとしていました。
流石は東京、周囲には外国出身と思しき家族の姿も多く見受けられます。
しかしその少女、うっかり蛇口を強く捻りすぎたようで、地上二メートル以上の噴水が出現。
その勢いの前に少女は余りに小さく、無力です。
彼女は近づくこともできず、異国の言葉で助けを求めていました。
たまたま近くにいた私はすぐに蛇口をひねり、水を丁度いいくらいまで弱めました。
すると彼女は私に向かって一言「ありがとう!」と言うと、水を一口飲んで一目散に走っていきました。
私は思わず「……日本語しゃべれるじゃないか」と呟いていましたが、それはさておき。

彼女の「ありがとう」は水の分子構造に良影響を与え、周囲の都市怨念を浄化し、ひいては打ち水の際に綺麗な竜巻を作るのでオーシマ氏はご安心めされるといいと思います。