以前民俗学の資料で一度だけ見た映像が記憶に残っている。
確か兵庫あたりのとある祭りの様子を収めたもの。
おそらく神社の中だと思われる場所で、居並ぶ男たちが天井に続く紐を手に持って頻りに動かしている。
その紐は天井を経由してぶら下がる先にはたきの先のような、チアガールの持つポンポンのような、そんな形のカラフルな飾りが結び付けられていて、それが紐を引っ張る動きに合わせて上下に動く。紐は何本もあるから、飾りもいくつも部屋にぶら下がっていて、それがてんでばらばらに上下する。
すると突然、それを座って見ていたひとりが立ち上がって手足を振り上げ踊りだす。
その踊りは本当にでたらめな感じの、まるで四肢が勝手に動いてしまっているというような動きなのだが、すぐに周りの数人に取り押さえられる。
すると何やら取り押さえられた男は口を動かしている。どうやら何か喋っているらしいが、内容はよくわからない。
そこで字幕の解説が入る。
男が踊りだしたのは本来の祭りの段取りにない出来事だということ。
どうやら男は、上下する飾りを見ているうちにトランス状態になり、踊りだした挙句に神託を語りだしたらしい。
ばらばらに上下する飾りには催眠効果がありそうだったが、その動きに合わせるように男が激しく動き出したのが印象的だった。
というのをふと思い出してYou Tubeでその祭りの映像を探してみたが見つからず。
残念なので代りに岸和田だんじり祭りの激しい映像を置いておきます。