小説

さよなら、餡パンマン  第壱話

パン工場で男性の首なし屍体が発見されたのは、いつものように早朝の作業に取り掛かろうとしたジャム小父さんとバタ子によってであった。 屍体は工場の床、竃のすぐ前に仰向けに横たわっていた。均整の取れた肢体に一糸もまとわぬ全裸である。蒼褪めたそれは…