2012-01-01から1年間の記事一覧

最近やったゲームとか

『風ノ旅ビト』(PS3) マント姿の旅人を操作して砂漠とか遺跡とか地下とか雪山とかをジャーニーして輪廻するゲーム。オンラインでやると他のプレイヤーと何となく協力できたりする。 感動的なクリアを経てスタート地点からまた始まるスーパーマリオ構造なの…

ぴた、ぴた

ある夫婦が家を買った。 それまで住んでいた街からは鉄道で一時間くらい離れたところにある、郊外の一軒家である。 築十年くらいの庭付き平屋だったが、少し間取りが変わっていた。 廊下が家の四方をぐるりと囲んでいるのである。 各部屋が家の中心に集まっ…

気温が30℃近いのになぜか近所を通る中学生は揃って長袖のジャージを捲りもせず着ている。なぜだろう。 すると夜のNHKニュースで東京の高校生がインタビューで「半袖はダサいから暑くても長袖を着る」と話していた。何ゆえ半袖をダサく感じるのかは知らないが…

卒業証書

Kさんが中学校を卒業したときのことである。 式は順調に進み、卒業証書授与の段になった。 卒業生は全部で六十人あまりで、その全員に校長先生から証書が直接手渡される。 一人ずつ舞台上に進み、それまで何度か練習してきた通りに証書を受け取っていった。…

屋根瓦

Oさんは高校生のとき、陸上部に所属していた。 ある日の放課後、いつものように学校のグラウンドで練習に励んでいたときである。 何となく足元がふらつくような気がして周りを見回すと、他の陸上部員たちも立ち止まって怪訝な顔をしている。 違和感の正体は…

話相手

Mさんが就職して間もない頃の話だという。 仕事帰りに、同期の同僚数人で呑み屋に繰り出した帰り道のことである。 最寄の駅に揃って歩いていたが、若さに任せて痛飲したためにみな足取りが怪しかった。 しばらく歩いた所でふと気がつくと、一緒に歩いていた…

乗るもの

Uさんが中学校の時の話。 二年生は毎年、宿泊学習で長野の施設に行くのが当時の通例だった。 一泊二日で、一日目の夜にはキャンプファイヤーを囲んでのレクリエーション後に入浴、就寝という行程だった。 その晩のことである。 十時に消灯し、Uさんもその…

映らない

Tさんが友人と酒を飲んで帰った夜のことである。 顔を洗ってから寝ようと洗面所に入ったところで異変に気が付いた。 鏡に顔が映らないのである。 首から下や、背後の壁はきれいに映っているのに、なぜか顔だけがぼんやり黒ずんでよくわからない。 顔の位置を…

来客

Fさんのお母さんは、かつて生け花の先生をしていた。 だいぶ前に人に教えるのはやめてしまったそうだが、それ以来も生徒だったという人が時々訪ねてくることがあるという。 日曜日の午後、Fさんが二階の自室でうとうとしていると階下で玄関チャイムが鳴った…

浮くもの

今日あったことだという。 高校生のTさんが下校していたところ、一緒に歩いていた友人のひとりが「何だあれ?」と声を上げた。 友人が指差す方を見ると、道路の反対側の林の上に何か白っぽいものが浮いている。 ビニール袋か、あるいは風船だろうか。 ひと目…

泥の上

一晩中雨が降っていた翌朝、起床したEさんが玄関の戸を開けると、門から玄関の前までが一面ぬかるみになっている。 しかし、Eさんの目を引いたのはその泥の上に付いた一筋の足跡だった。玄関からまっすぐ門に向かって歩いた足跡が、はっきり残されている。…

屋根の上

東日本大震災から半年ほど後の話だという。 休日にUさんが二階のベランダで布団を干していると、通りを挟んで五軒ほど向こうの家の屋根に、誰かが座っているのが見えた。 屋根のてっぺんにまたがるようにして、短髪の男性らしき人影が座っている。 付近には…

砂山

Yさんが中学生の時の話。 当時、昼休みには仲の良い数人でサッカーやキャッチボールをするのが毎日の楽しみだった。 その日の昼休みも同様にそうやって遊んでいたのだが、その日はいつもの仲間が一人少なかった。 クラスメートのM君が朝から学校を休んでいた…

九月某日

ある人が三年間の期限で遠くに転勤になった。 一年目の九月のある日、アパートに帰るととてつもない悪臭がする。 腐った水をぶちまけたような臭いだった。 慌てて窓を全開にし、換気をしながら臭いの元を探した。 しかし部屋の中は朝に出勤したときのままで…

白いシャツ

Hさんの住んでいる部屋の窓からは、小さな公園と道路を挟んで向こう側のマンションが見える。 そのマンションのとあるベランダに、毎日ずっと同じ服が干してあるのだという。 白いシャツと灰色のズボンが一着ずつ、ベランダのハンガーにぶら下がっている。 H…

幾千の夜と幾万の歌に飾られて何とかかんとか

パリに行ってきました。 面白い街でした。 以下写真とメモ。 写真多いです。

新美南吉作品を読み返した。特に「鳥山鳥右ェ門」が気に入っている。悔恨のあまりに幻覚を見ながら放浪するところとか。 なんで春アニメこんなに多いの? デジタルリマスター版『ふしぎの海のナディア』放送開始。ノーチラス号は何度見ても格好よい。まだOP…

GGR(ごんぎつねリローデッド)

これは、私(わたし)が小さいときに、村の茂平(もへい)というおじいさんからきいたお話です。 むかしは、私たちの村のちかくの、中山(なかやま)というところに小さなお城があって、中山さまというおとのさまが、おられたそうです。 その中山から、少し…

山彦

Kさんは中学二年生の時から高校を卒業するまで、家庭の事情で親元を離れ、父方の祖父母の家で暮らしていた。 祖父母の家は辺鄙な地域にあり、四方を山に囲まれていて、学校に通うのにも自転車で一時間はかかった。 そうしてKさんが高校二年生の春のこと。 部…

チョコパフェとかイケメンとかマジで夢中に

昨日の大風で梅の花は粗方散ったのに、杏の花は一斉に咲き始めた。強風が刺激になって開花したんだろうか。 今週からチバテレビで『ふたりはプリキュア』と『ペリーヌ物語』の放送が始まった。しかも毎日である。どちらも題名は知っているものの、まともに観…

校内放送

ある中学校で、二年生のクラスの担任をしていたNという先生が欠勤した。 急に体調を崩して病院に行くとのことだった。 その日の昼休み。 給食の準備でざわつく教室に、スピーカーからの音声が響き渡った。 古い放送設備のせいか、いつになくはっきりしない声…

原付

Uさんが高校二年生だったある日のこと。 放課後に友人数人でK君の家に遊びに寄った。 二階にあるK君の部屋でしばらくの間駄弁っていたが、そのうちにK君が窓の外を窺い始めた。 「何か見えるのか?」 友人の一人が聞くと、K君は「まあ、ちょっとな……」と言葉…

遅れた棺

昨年の話。 一人の女性が亡くなった。 告別式を済ませ、棺が遺族と一緒にバンに乗って出て行くのを見送ってから、親戚一同も火葬場へ出発した。 しかし親戚たちが到着してみると、まだ棺が到着していない。 葬儀会場からは基本的に一本道である。追い越した…

湖畔

Fさんが高校生の時の話というから二十年ほど前のこと。 夏休みに同級生の友人たちと計画して、泊りがけで隣県に出かけた。 湖に臨むキャンプ場のバンガローに泊まり、レンタルした自転車で湖を一周したり、バーベキューをしたりして楽しく過ごした。 同行し…

ドシン

Uさんがアパートで独り暮らしをしていた頃の話。 五月二十日の夜だったという。 疲れて帰ってきたUさんは食事もせずにシャワーだけ浴びるとすぐにベッドに入った。 しかし、なにやら神経が冴えてなかなか眠れない。 次の日も早めの出勤だったので、何とか眠…

先週末に高熱を出した。熱は一晩で下がったが、それ以来ずっと胃が苦しい。食欲は昨日辺りから戻ってきたので多分大丈夫なんじゃないかしら。 またしてもアニメの録画が消化しきれていない。アマガミまだ全然見ていない。アクエリオンとモーレツはやっと追い…

来ない母親

以前保育園で保母をしていたUさんの話。 ある日、Yちゃんという子供だけがいつもより遅くまで残っていた。 毎日迎えに来ている母親が、その日はまだ来ていなかったのである。 一人だけ帰れずにいるためにYちゃんも心細くなってしまったようで、泣きべそ寸前…

ドアミラー

Mさんが中学生の時の話。 当時、Mさんの母の勤務先が中学校と同じ方向だったので、登校時に一緒に車に乗せていってもらうことがよくあった。 ある日のことである。 やはり母の車で送ってもらうことになったMさんだったが、たまたまその日は高校生の姉も同乗…

卒業アルバム

大掃除をしていたOさんは、押入れの中から久しぶりに中学校の卒業アルバムを発見した。 卒業してからかれこれ二十年近く経っている。 懐かしさから思わずページを開くと、見覚えのある顔が幾つも並んでいた。 故郷を離れて就職したために当時の同級生とは随…

新聞配達

ある人が新聞配達のアルバイトをしていた時の話。 薄暗いうちから配り始めて、ようやく明るくなってきた頃に配り終わる。 ちょうど配り終える家の隣に一軒家が建っている。 ある日、この一軒家の二階を何気なく見上げたところ、窓辺に人が立っているのが見え…