2007-11-07から1日間の記事一覧

六十二/ 子猫の声

Tさんが小学生の頃の話。 仲のいい友達と家の近くで遊んでいた時、どこからか子猫の鳴く声がした。弱々しい声で助けを呼んでいるように聞こえる。声のするほうに行ってみることにした。声はどうも道路の側溝の中から聞こえてくるようだった。見える範囲の側…

六十一/ 不測の欠勤

Fさんはその朝、いつものように車を運転して出勤した。 勤め先の地下にある駐車場に車を停め、車の鍵に手を伸ばした時「あれ? 」と思った。いつもと感触が違う。引き抜いてみると、やはり自分の車の鍵ではない。狼狽しながら視線を上げると、また驚いた。車…