待望の第一子が元気に産声を上げたとき、隣室に控えていた原田新左衛門は思わず袴を握り締めた。呼吸は最前からずっと詰めたままである。すぐに下女が彼の元に駆けつけて告げた。 ――男の子に御座います―― 新左衛門は溜息を長々と吐いた。
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